沖縄地区税関の統計によると、1人当たりの消費量は年間197グラム(うち輸入は121グラム)。これをひと切れ30グラムの薄切り肉にすると、わずか6切れ程度にしかならないのである。しかも、近年の輸入実績は160トン前後と横ばいで、沖縄地区税関では「若者層の食習慣の変化で、今後の需要増は期待できない」とも説明しているのだ。「この程度の消費量ではたしてアイデンティティ食といっていいのか、えっ!」と、アンチ派の僕としては詰め寄りたいのであるが、では実際に誰が食べているかというと、比率でいうと圧倒的に高いのが中高年の男性。つまり、オヤジである。いいかえれば、これは「ヒージャーを食べないようでは沖縄のオヤジとはいえない」ということであり、さらにいえば「ヒージャーの匂いにヘキエキするようでは沖縄のオヤジにはなれない」という意味にもなる。したがって、オヤジ族の食べ物として踏み絵にするならまだしも、わざわざアイデンティティをふりかざしてまで云々するのはスジ違いということなる。それにしてもこの匂いのもとはなんなのか?専門家の報告によるとヤギ肉には低級揮発性脂肪酸という成分が含まれ、この成分が多いほど畜肉臭が強くなるという。一般的に成熟したオスほど低級揮発性脂肪酸が多く、若いヤギやメスほど少ないのだそうだ。人間のオヤジは臭いとよくいうけれど、ヒージャーもオヤジは臭かったのである。
アジアで涼しいといえば、水の上も涼しい。例えば、暑いことで知られるタイのバンコクでも、市内に張り巡らされた運河の上をジェットボートで走ると、非常に快適だ。そのメッカが、バンコクのトンブリ地区。チャオプラヤー川西岸にあり、かつて首都が置かれていた歴史的地域である。このトンブリ地区へは、王宮から歩いてすぐの貸切船発着場(Thachan)から「ロングテールボート」と呼ばれるジェットボートに乗る。料金は交渉次第だが、2時間で500パーツ(約1800円)といったところだ。ジェットボートは、乗るとかなりのスピードで水上を走る。トンブリ地区に向かう支流に入ると、すぐ右側に見えてくるのがタイ王室の皇族が乗った歴代の船を集めた「王宮御座船置場」だ。ガレージのようになっているが入場料を払えば、内部にも入れる。それを過ぎると、運河に面した美しい寺がいくつかあり、川から直接、境内に入れるようになっている。バンコクが水上都市だったことを思い出させる風景だ。やがて迷路のようなトンブリ地区の水上置家群に入る。細くなった運河は、ジェットボート2隻がようやく擦れ違えるほどで、両側の家々の暮らしがよく分かる。川に面して涼しそうなテラスを置く家もあれば、家全体が揺れるハウスボートになっているものもある。そして、物売りの舟が家々の間を行きかう。
若手のアーティストによる、タイ文字をお洒落にアレンジしたTシャツや生活用品を売る雑貨屋も登場している。週末バンコクに来たら、お土産探しも兼ねて丸一日かけて探索しようI。『ちょこっとアジア』テイストな物は、安宿街で有名なカオサンロードでも入手できる。キャミソールに巻きスカート、バッグにサンダル、ストール。洋服の質も以前は縫製がひどかったり、一度洗うと縮みがヒドイ物もあったが、最近の服はけっこう良質。よく吟味して、使えるエスニックアイテムを探してみよう。また、カオサンロードは夜9時をまわった頃から、路上商店もオープンし始める。オリジナルのアジアンテイストの服や、2週間ほど肌に残るボディペイント屋台なんかが出る。夜遅くまで賑わうバーも多いので、夜遊びがてら繰り出してみてはいかが?